宮沢賢治は自費出版『注文の多い料理店』の序文で次のように語っています。
『わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、
きれいにすきとおった風をたべ、
桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、
いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、
かわっているのをたびたび見ました。
わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。
これらのわたくしのおはなしは、
みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。
ほんとうに、かしわばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかったり、
十一月の山の風のなかに、ふるえながら立ったりしますと、
もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。
ほんとうにもう、どうしてもこんなことがあるようでしかたないということを、
わたくしはそのとおり書いたまでです。
ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでしょうし、
ただそれっきりのところもあるでしょうが、
わたくしには、そのみわけがよくつきません。
なんのことだか、わけのわからないところもあるでしょうが、
そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。
けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、
おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、
どんなにねがうかわかりません。』
豊かさとは何でしょうか。わたしは、それを「今を豊かに感じる心」と思っています。
多くの成功本、スピリチュアル本、風水、メンタル・ヘルス本、ビジネス本の中で
この『ザ・シークレット』ほど楽しく有益な本はありません。アメリカで出版され
瞬く間に900万部・・・アメリカ人の20人に一人が読んだという成功本です。
多くの人が成功を求めています。そして、メンタルな幸福感を求めています。
お金、愛情、満足、創造性、出会いなどなど夢見る人間の求めるものは、どこかで
「豊かさ」という思考と結びついています。
戦後60年を経て日本人もやっと「本当の豊かさとは何か」を考え始めたのでは
ないでしょうか。本書は、「豊かさへの旅」を生きるわたしたちに、ほんとうの
豊かさへの深い示唆を与えてくれます。
宮沢賢治が見ていた豊かさは、現代のわたしたちにとって砂の中の水晶のような
もの・・・・。
そして、この「ザ・シークレット」を読むことで、宇宙がわたしたちに限りない
豊かさと富を与えてくれること確信するのです。
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