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(松山市さくらの丘公園)


 『人生に疲れた人へ』 加藤諦三

テレビ朝日系ドラマの「サイコ・ドクター」をご覧になった人はいるでしょうか。

心理学・精神医学が素材となったドラマはいろいろとあると思いますが、わたしはこのドラマが好きです。階恭介(竹之内豊主演)と言う精神科医の日常を描いたものです。今思えば、7年前にこれだけのキャスティングで放映されたわりには、あまりヒットしなかったのが不思議です。

クランケとして登場するのは、柴咲コウ、井川遥、鈴木杏、森山未来、大塚寧々、工藤夕貴。階の友人の女医役は羽田美智子というものです。さらに主題歌は平井堅 挿入歌 幸田未来。ほぼ、アイドルのフルキャストにもかかわらず、DVDレンタル店ではあまりみかけません。アウトラインも不思議ですが、内容はなかなかの見ごたえあるものです。パニック障害(柴咲)解離性遁走(井川)過食症(鈴木)恋愛依存症(工藤)ひきこもり(森山)心因性機能障害(大塚)などそれぞれのアイドルの持ち味が生かされた心の病を演じます。
竹之内豊の精神科医もなかなかキマっています。羽田美智子の癒し系女医もいい。「心の病」というと特殊な病気と看做す人もいるかもしれませんが、サイコ・ドクターを見ていると私たちは誰も無縁ではない世界のような気がします。最初は小さな心のほころび、心身の不調などから病理に陥ることは、意外と多いのかもしれません。特にここでも扱われている鬱病などは、複雑な社会の中では最もその要因が多様に見られるようです。

このドラマの圧巻は、やはり「実りの家族」というマインド・コントロール教団との戦いが主人公階恭介の幼少期トラウマを明かしてゆくクライマックスにあるでしょうか。

いかりや長介の精神科医も渋くて、魅力的です。認知科学と精神医学を背景にわかりやすく「洗脳」のメカニズムを語るところは、興味深い部分です。
精神医学的治療については、ドラマですから実態とは異なりデフォルメもあると思いますが、それぞれの疾患の患者さんの様子はわかりやすく伝わってきます。
心身に不調を抱える人が見てもなにかと気づきのあるドラマかな、と思っています。やまねこ(=^o^=)でした。