大寒波到来!!明日は3年ぶりの雪景色か?と地元酒蔵の生貯蔵酒とめかご(やまいもの芽) をあてに一杯やっております。 福岡正信著「自然に還る」を読み進めておりますが、ちょうど松枯れの研究をされていた ところを読んでいました。「健全な松の木では共生している菌根(マツタケ)が、 マツクイムシにやられている松の木では破壊されている。マツタケが生えなくなったことが 松の健全な生育停止を意味し、これが松枯れの前触れ症状であったと思われる。」 という箇所があった。もちろん菌根が破壊されたのは、農薬などによる土壌汚染からで あるが、今日、私が勤務するケアハウス入居者の方と話しをしていて、福岡さんが 怒っていた理由がわかった。 この入居者Mさんは松山市郊外の農家の方である。大柄な方なのに、好き嫌いが激しく、 おかずは3割ほどしか召し上がらない。 「わしが高校生の頃、60年前は、かごにいっぱいマツタケが採れた。 お弁当はマツタケご飯。他におかずはない。『おかずは?』と親に聞くと 『マツタケしかないわい!』と言われた。町場のクラスメートは 『うわ~マツタケや』と言って、彼らに食べられてしもた。 食べられんように早弁したりもした。うなぎも良く取れた。 農業用ため池に一杯おった。水路に竹の籠を仕掛けておくと入いっとるんよ。そしたら、 2,3匹は入っとった。ため池は刈り入れが済んだら、年に1回水を抜いて干しとった。 そこに鮒(ふな)や鯉(こい)、うなぎが一杯おった。それを取ってかえって家に掘ってある 池に入れとくんよ。」「鮒なんておいしいん?鯉は食べると聞いたことあるけど?」 「鮒がうまいんよ。焼いても煮てもうまい。鯉はうもない。海の魚食べんでも、池で魚獲れ たんよ。」 「昔のお百姓さん、贅沢なもん食べとったね。今じゃ、高級食材じゃん。」 おかずを3割しか食べないはずである。本物の天然素材の味を知ってるから、 添加物一杯の調味料で味付けした、冷凍ものなんか食べれたものではないのである。 「近くに見事な桜の木があってな、滝のそばなんよ。そこに弁当持っていきよった。」 福岡さんが怒っていたわけである。ヘンな分別智を使わず、自然と共に生きる百姓の暮らしは贅沢 なのである。なんで、体に悪いまずいものを食べ、時間に追われてあくせくせないかんのか。 いらんことせずに昼寝しよったらええ。「DO NOTHING」と言いたくもなるのだろう。 昔の話をするMさんの顔はうれしそうである。 何か大切なものを無くしていってるのは間違いない。 年配の方、それもごく普通に生きていた方と昔話できるのは、役得かな。なかなか面白い・・・。