「スピリチュアル」にノリがいい女性に対して、男性はというとやはりスローライフに
あごがれるというのが、多いと思います。こちらは女性と異なり各世代にまたがるものでは
なく、中高年に多い。長年のビジネス社会に疲れての「癒し」を求める傾向があるせいでしょうか。
男性の場合、若い人はオタク文化があるせいで、スローライフ体験型よりもバーチャルな「癒し」
求める傾向があるのかな、と思う。
とまれ、時代のキーワードは老若男女「癒し系」には違いないでしょう。
介護などの老後生活も含めて、心癒されたい人で溢れています。
社会がより複雑になり、これまで疑問なく続けてきた生活そのものを再考する人が増えてきたの
かもしれません。過労、ストレス、病気、孤独感、孤立感、無力感など癒しを求める動機は
様々でしょうが、私たちの住んでいる社会が便利で手軽な一方ではなく、時としてひとりひとりの魂にとっては、苦痛や悩みの種となりやすい。そんな危機感は子供たちの問題とも深くリンクしていて、いじめや子供の自殺という深刻な問題を生んでいるように思えます。
こうした危機感の表れが癒しやスピリチュアル、スローライフというトレンドの背景にあるのかもしれません。
それは、まず子供たちに敏感に現れ、次いで女性に現れ、男性へと広がっているように見えます。
地球環境の危機とともに人間環境・精神環境の危機がささやかれる時代に生きているという実感。
より豊かに、より便利に、よりリッチにと進んできた先に見えるものは、決してバラ色の未来では
なく、ダーク・グレーの現実感だった、というのは笑えないお話です。